FMF特集
Film Makers Field Special

FMFとは

FMF（正式名称：Film Makers Field）は、個人映画の制作・上映活動を行う団体として、福岡で結成されました。

普段、劇場で上映される劇映画とはちがった、個人、または少人数による前衛的であり、芸術性・実験性を追求した映像作品を制作するかたわら、公募展の企画や上映活動などを通して、各地で活動する映像作家・団体をつなぐ交流の場となっていきました。

FMFは1977年 福岡市出身の映像作家 福間良夫、ノトヨシヒコ、森田淳一（壱）の３名により結成。翌年、のちに福間のパートナーとなる宮田靖子が参加。メンバーの増減や活動休止がありつつも、福間・宮田が中心となり、公募企画や映像作家にスポットを当てた特集上映会、ワークショップなどを継続的に行い、インディペンデントな分野での映像制作活動の活性化に貢献しました。

中でもFMFによる名物企画の1つ「パーソナルフォーカス」（1978〜2010年）は、開始当時、ホームムービーのツールとして普及していた８ミリフィルムによる３分間の映像作品を全国から公募し、無審査で全て上映するというアンデパンダン方式による上映企画で、個人の映像表現のきっかけを作り、作家たちの継続した作品制作の後押しとなりました。この時寄せられた作品は、各地での巡回上映も行われ、全国で活動している映像作家同士をつなげるネットワークが形成される一助ともなりました。

90年代には福間・宮田のみが主要メンバーとなり、数名のサポートメンバーと共に活動を続けていましたが、2007年 主宰 福間良夫が急逝、さらに2013年 宮田靖子は大阪へ拠点を移します。そこで福岡での活動を引き継ぐために、当時のサポートメンバーがFMF福岡を結成、大阪の宮田や東京在住のメンバーの活動と連携しつつ、個人映画や実験映画の企画上映を行なっています。

近年の活動としては、フィルム・ビデオ問わず個人の作品制作・上映を行う様々な企画や、フランスの伝説的映画監督 パトリック・ボカノウスキーの作品上映、新たにメンバーに加わった実験映像作家 伊藤高志の新作上映会などを開催しています。

今回の特集では、２つの会場にわけて、それぞれ別のプログラムを上映します。
福岡市総合図書館・シネラ会場では、1978年から1986年までの応募作品の中からFMFがアーカイヴした＜パーソナルフォーカスアンソロジー＞より16作品。あわせて日本を代表する映像作家であり、FMF福岡のメンバーでもある伊藤高志の＜ZONE＞など90年代の３作品を上映。

福岡市美術館ミュージアムホール会場では＜パーソナルフォーカスアンソロジー＞よりFMF歴代メンバーの作品を中心に10作品。さらにFMF福岡のメンバーおよびFMF主宰者である福間良夫と宮田靖子の8mm作品集、そして伊藤高志の初期作品＜SPACY＞＜BOX＞＜THUNDER＞を上映します。

パーソナルフォーカス（8㎜フィルム上映）

伊藤高志特集プログラム（16㎜フィルム上映）