たゆたうみなも
2025/日本・名古屋/15:53/ドラマ
「男らしさ」にどこか息苦しさを感じながら日々を過ごしている酒井は、銭湯で一脚のふわふわの椅子を見つける。
違和感に気づき、静かに心がたゆたう過程を、視覚的なユーモアを交えて表現している。
あらすじ
銭湯通いを日課とする酒井は、職場や社会の中で当たり前のように求められる「男らしさ」に、どこか息苦しさを感じながら日々を過ごしている。周囲に合わせて振る舞うことはできるが、その一方で言葉にできない違和感が胸の奥に静かに積もり続けていた。それは明確な不満ではなく、誰にも気づかれないまま、自分の内側にだけ沈殿していく感覚だった。
ある日、行きつけの銭湯の洗い場で、一脚のふわふわの椅子を見つける。無機質な空間に似つかわしくないその存在と、それを誰も気に留める様子のない光景に、酒井は戸惑いを覚える。その小さな違和感はやがて彼の中に波紋のように広がり、これまで見過ごしてきた他者の何気ない振る舞いや言葉の意味を、少しずつ違ったかたちで捉え直していく。
職場の同僚や身近な人々とのやりとりの中で、自分が無意識に受け入れ、また誰かに求めていた“らしさ”の存在に気づきはじめる。見えない枠の中で保たれていた均衡は静かに揺らぎ、酒井はその揺らぎを否定するのではなく、受け止めながら一歩を踏み出そうとする。
日常の中に潜む違和感と向き合いながら、自分自身のあり方を問い直していく、静かで優しい変化の物語。
監督 大石 理紗子 / OISHI RISAKO
愛知県出身。平日はアパレルデザイナーとして働きながら、週末は映画制作に励む。2022年、名古屋のミニシアター「シネマスコーレ」が運営する〈スコーレ映画塾〉第2期生として入塾し、現在にわたり同館代表・木全純治氏のもとで映像制作を学ぶ。
人との関わりで生まれる境界線や、ジェンダーにまつわるテーマに関心を持ち、日常の中の“違和感”を細やかにすくい取る作風を志向している。
井上淳一監督『止められるか、俺たちを2 青春ジャック』(2024)では美術・装飾アシスタントを担当。ローカルテレビ局でのドラマの撮影や、予告編制作・パンフレットなど宣伝デザインにも多数携わる。
2024年、48 Hour Film Project 大阪大会にて初監督作『カーテンの囁き』が主演男優賞、衣装・メイクアップ賞、小道具賞の3部門にノミネート。
現在 プロデューサー湯浅典子・シネマプランナーズ代表 寺井隆敏の元で国際共同制作を見据えた企画を開発中。
今作を作ったきっかけは、自分が性別にまつわる“らしさ”への違和感に「気にしていないふり」をしていたことに気づいたからです。その違和感をなかったものににないよう掘り下げていく中で、社会や自分の中にある無自覚な加害性にも目が向くようになりました。また、銭湯をロケ地に作品を撮りたいという思いがあり、今作では洗い場に“ふわふわの椅子”を置くことで、視覚的にも違和感を感じてもらえる表現を目指しました。
予告編
キャスト
| 出演者1:木村 仁 | 出演者2:明日香 |
| 出演者3:荒井 謙 | 出演者4:服部 天音 |
スタッフ
| 撮影 | 岩崎 賢作 |
| 照明 | 深谷 英希 |
| 衣装・ヘアメイク | 野村 裕子 |
| 助監督 | 川村 計己 |
| 制作進行 | 小池 祥 |
| 編集 | 大石 理紗子、梅村 ともひろ |
| 制作 | スコーレ映画塾 |
上映履歴・受賞履歴
| 2025年4月:シネマスコーレ ザ・フィルムズオブシックスセンス2025にて上映(愛知) |
| 2025年8/2~11:シアターカフェ移転&リニューアルオープン5周年記念開放祭にて上映(愛知) |
| 2026年2/28~3/29:ランドリーシネマ2にて上映(東京) |
| 2026年2/28~3/7:第11回あわら湯けむり映画祭にて上映(福井) |
| 2026年3/13,14:三国映画祭 短編上映プログラムにて上映(大分) |





