サークルサークル

circle circle

コーイ兄弟

kooybrothers

上映時間 :90min

制作年 : 2012

▼予告編

 『サークルサークル』は、福島原発事故をもとに制作されたSF映画である。  主人公は、ダイヒョー、ムクシマ、トーダイ、ナスカ、シンドーの5人。彼等は事故を最小限にするために5つのミステリーサークルを制作する。しかし、シンドーが計画中に自殺。残った4人は、シンドーを弔うためにも計画を実行することに。  なぜシンドーは死んだのか。それは誰にも分からない。しかしながら、彼の名前「シンドー」はとても重要な意味を持っている。「シンドー」は、「振動」であり、「震度」であり、そして「死んどう」(神戸の方言で死んでいるということを意味する。)だから。彼の名こそ、この間の「予期せぬ」東北の出来事を暗示しているのである。
 私たちコーイ兄弟が、今回の映画で2つの主要な題材を扱っていることを言わなければならない。それは、ミステリーサークルと鬼門である。
 まず、ミステリーサークル。主人公たちは原発の周辺にミステリーサークルをつくる。それによってその地域をお祓いすることが目的である。映画のなかではミステリーサークルは、呪い封じや魔法陣の意味を持つ。おそらくミステリーサークルがなぜこの世界に存在しているかを明確に言える人はいないであろう。だが、この映画では一つのミステリーサークルの意味を示している。
 そして鬼門。この映画は、日本の実際に存在する鬼門に関わる土地を撮影している。皇居、江戸城、日光など。江戸時代、江戸城からみて北東の方角上野に寺を配備する。その方角が鬼門であるからであり、そのシステムは、京都のシステムを取り入れて設計されている。京都は北東に比叡山延暦寺を配置して鬼門を抑えている。これは古代中国における陰陽道がもとになっているが、現在でも風水の一つのきまりとして東アジア全域の建築設計に利用されている。古代より鬼門は不運がやってくる方角とされてきた。では現在東京にも鬼門は存在するのか。  主人公たちは、なお鬼門が東京に存在すると考える。北東の上野、そしてさらにその先直線を延ばしていけば、水戸(江戸の終わりを告げた15代将軍慶喜の生家)がある。そしてその先に何があるのか。この地形に潜む東京の鬼門を探り当てようとする主人公らの姿がこの映画に描かれる。

  

監督のコメント

この映画は、2011年の地震をきっかけに、日本の「祟り」を「弔う」ような新しい儀式としてミステリーサークルがあるといいなと思いから完成させました。

監督の経歴

武蔵野美術大学卒業
一橋大学大学院在学中

スタッフ一覧

小山天音
荻原勇太
木村あずさ
品田卓磨
寺田尚代

 

コーイ兄弟監督の作品一覧

  作品名 監督名 上映時間 制作年 字幕
  サークルサークル コーイ兄弟 90min 2012