桃と小桃とこもも丸
(未定)
新部貴弘
Takahiro Niibe
上映時間 : 57.37min
制作年 : 2013
夏になるとサーフィンや海水浴客で賑わう鎌倉の材木座海岸ですが、ここには古くから漁業で生計を立てる人達がいます。
私はこの海岸で、桑原桃子さんという十八歳の女性と出会いました。
材木座で育った桑原さんは、幼い頃より漁師になるのが夢で、鎌倉で最初の女性漁師と言われている岩崎桃子さんの元で見習いをしています。師匠と同じ名前である事から、桑原さんは「小桃」と呼ばれています。
小桃さんは毎朝桃子さんと海に出て、漁業のイロハを教わりながら魚漬けの毎日を過ごしていきます。
しかし年が明けた頃、二人に転機が訪れました。桃子さんが妊娠をされ、舟を降りる事になったのです。
漁師になるためには、最低でも一年間、鎌倉漁協に属する組合員の下で見習いをするのが決まりです。
仕事を始めてまだ半年の小桃さんは、見習いを続けるために別の漁師の船に乗り込む事になりました。
そこでの仕事は、屈強な男達に混じって、海の土方と呼ばれるしらす漁を手伝うというものでした。
小桃さんは男性達との仕事に戸惑いや悔しさを覚えながらも、夢に向かってそれらを乗り越えていくのでした。
これは漁師を志した一人の女性の二年間の記録です。
監督のコメント
『桃と小桃とこもも丸』は鎌倉の海とそこで生きる女性の漁師に関するドキュメンタリー映画です。
大学の3年生の時から制作に取り組み、卒業後も撮影を続けていました。
取材の度に数えきれないほど舟に乗せていただきましたが、海の上から見える夜明けの風景や、身の丈程のサメが海面を跳ねる様子など、撮影中は常に驚きと発見の連続でした。
鎌倉の漁師の方々との出会いを、1本の映画として形に残せた事を嬉しく思います。
監督の経歴
1991年3月21日生まれ
大学で当時教員であった映像作家の藤田修平先生からドキュメンタリーを学ぶ。
卒業制作として2011年より出品作品の制作を始める。
第16回 ゆふいん文化記録映画祭 松川賞
第4回 座 高円寺ドキュメンタリーフェスティバル 入賞
スタッフ一覧
エグゼクティブプロデューサー:藤田修平 |
出演者1:桑原桃子 |