尊く厳かな死
death with dignity
中川駿
NAKAGAWA SHUN
上映時間 :59.52min
制作年 : 2015
ある日、母が転んで頭を強打、脳に重大な損傷を負い、そのまま植物状態になってしまう。
息子の直樹と娘の由佳、そして直樹の妻の綾子の3人は突然の出来事に驚き、悲しみに暮れていた。
そんな中、母が「尊厳死の宣言書」を作成しており、かねてから尊厳死を望んでいた事を思い出す。
直樹らは、母の尊厳死を受け入れるか否かの選択を迫られる。
直樹は、母がわざわざ書面にしてまで残していた意志を汲んであげようと、尊厳死の受け入れに賛成する。
しかし妹の由佳は、母は自分たちに迷惑を掛けまいと「遠慮」して尊厳死を望んでいたに違いない、と尊厳死の受け入れに反対する。
さらには医師までもが、措置を施せば延命させる事ができる命を前に、何もしないでただ「餓死」するのを待つということに難色を示す。
「お母さんを殺したら、一生恨む。」という由佳の発言を機に、直樹に迷いが生じる。
迷いが生まれた直樹は、果たして自分は本当に母のことを思って尊厳死に賛成していたのだろうか?
自分の手を煩わせたくなくて母を死なせようとしていたのではないか?という疑念が生じ、自分自身が信じられなくなってくる。
理性と感情の狭間で、葛藤する直樹らが出した答えとは?
予告編
監督のコメント
本作品は、私の祖父が尊厳死をした経験に基づいて製作されております。
奇しくも世間的に「尊厳死の法制化」についての議論が活発化してきている現在、この経験は作品として世に発信していく価値があると考え、今回の製作に至りました。
この作品を通じて、より多くの人に「尊厳死」について考えるきっかけを提供できればと思います。
監督の経歴
1987年、石川県生まれ。
2014年、『time』を製作。
第12回NHKミニミニ映像大賞120秒部門グランプリ受賞。
福岡インディペンデント映画祭2015 優秀賞受賞。
2015年、『尊く厳かな死』を製作。
第2回新人監督映画祭 中編部門準グランプリ受賞。
スタッフ一覧
出演者 |
撮影:島大和 |