ヴァニタス
VANITAS
内山 拓也
UCHIYAMA TAKUYA
上映時間 :106.33min
制作年 : 2015
ありふれた光に照らされ、形作られていくのは気づかないふりをした陰。
体育館に弾むボール、黒く染まる指先、教科書に書かれた落書き、火がつかない煙草。大学生の柴原、伊藤、橘、永井は行動を共にする友人同士。
厭なことから目を背け、考えないように昼休みにバスケをし、くだらない会話を弾ませ退屈そうに参考書を眺める。
そんなただ並べられた毎日を過ごす大学生活。
学校では一緒にいる4人だが、それ以外の関わりはなく、普段何をしているかはお互いに知らない。
生活苦からバイト先で廃棄の弁当を持って帰る伊藤、信頼している三木のやり方に不満を持ち始める橘、1人部屋に籠り自分と葛藤する永井、そして自分を遠ざけ、何も知ろうともしない柴原。
それぞれの思いは、足元の陰を肥大化させ些細なことをきっかけに衝突し、お互いを傷つけ合った4人は少しずつ離れていく。
体育館には柴原1人だけが残るのだった。
誰も何も分かち合わないことが最善だと思っていた。
それが一番鋭利な凶器だと知る由もなく・・・。
4人はいつの間にか出来上がった大きな陰に覆われてしまう。
監督のコメント
いつから僕たちは周りに気を遣えるようになったのだろう。
そんな自分たちをいつから嫌いになったのだろう。
そしていつから自主映画は大人に媚びるようになったのだろうか。
強度がある作品はどんな月日も余裕で越えてくる。
今しか創れない作品は必ずあり、忘れ去られかけた、いつかの古くさいけど輝いて見えた映画を「この世代から更新する」の旗のもと集まったスタッフ・キャストとドラマがリアルを越える、その一瞬を追い求めて。
監督の経歴
1992年5月30日生まれ。
新潟県出身。
高校卒業後文化服装学院に入学。
学業と平行してスタイリスト活動を始める。
様々な衣裳現場を経験し、学校卒業後、スタイリストの職を辞め映画の道へ。
制作部、演出部として映画製作現場に従事しながら
自主映画制作に明け暮れる。
今作で初の長編監督を務める。
スタッフ一覧
出演者 |
助監督:伊藤 和馬 |