ロスト・シー
LOSTSEA
土田 豪介
GOUSUKE TSUCHIDA
上映時間 :18.45min
制作年 : 2017
舞台は沖縄。
基地と海に囲まれた街に住む樹里斗は、基地建設作業員の父親(俊樹)と母親(絵理)の3人で暮らしている。
俊樹が資材運搬中、基地反対派に囲まれ激しい非難を浴びる。
樹里斗も父親の仕事が理由で日々、苛めを受けている。
真魚は父親がアメリカ人のハーフで、母子家庭で育つ。
差別にも会い、息苦しさを抱えながらも、海で泳ぐことで心の平静を保っている。
ある日、俊樹は息子の苛め現場を目撃する。
「
息子を苦しめる原因は自分だ」と、上司へ部署移動の直談判をするが、非情にも解雇される。
さらに、クビになった事で、妻は家を出て行く。
残された樹里斗と俊樹。淡々と日々は流れていく。
後日、戻って来た妻と俊樹は話うが、離婚を切り出され、その現場を見た樹里斗は家出をする。
時を同じく、母親と口論になり家を飛び出す真魚。
鉢合わせた樹里斗と真魚、真魚は樹里斗を海に誘い、美しい海の中を泳ぐ二人。
海から出ると苛めっ子に遭遇。
揉め会いになり、真魚をかばう樹里斗。
逆上した同級生がナイフを出すが、樹里斗を探しに来た俊樹に殴られ、同級生達は逃げ出す。
「向き合わなくてすまない」と樹里斗に告げる俊樹。
監督のコメント
この作品は、facebookでの知人の投稿した動画を目にしたことがきっかけです。
沖縄での新基地建設反対派の人々がゲート前に陣取り、資材運搬のダンプが出てきたところを、
一人の老婆が飛び出して行く手を阻み、「基地を作るんなら、私を轢いていきなさい」と叫んだ。
カメラがそのダンプを運転していた作業員を映した時に、見るからに地元の人間で、
どことなく無表情で淡々と仕事をこなしているように感じた
その時、「この作業員はどんな気持ちで自分の仕事をしているのだろう?
年齢は40代くらいだろうか、おそらく家庭もあるのだろう。
生活のためとはいえ、自分の生まれ育った島に基地を作り、同じ沖縄県民に罵詈雑言をあびて、
なぜこんな仕事をしてるのか?」と考え、基地がある事で翻弄されている人々の姿の描きたいと
思いました。
予告編
監督の経歴
1975年神奈川県横浜市生まれ、日本工学院専門学校卒業
沖縄に移住して地元の制作会社にカメラマンとして入社。
2008年、本職の合間に自主制作映像チーム「オキナワジェット」を仲間と立ち上げて映画製作を行う。
2016年、しばらく休止していた自主制作での映画製作を再開する。
監督作品履歴
「相庭恋愛専門探偵事務所」
(第10回インディーズムービーフェスティバル入賞)
「遺品整理屋未来堂」
(SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2009審査員特別賞)
「線香花火」
(SSFF2011ミュージックショート部門ノミネート)
スタッフ一覧
出演者 |
助監督:久場長秀 |