ゴミの音色
GOMINONEIRO
草苅勲
KUSAKARI ISAO
上映時間 :13.59min
制作年 : 2014
早朝6時。団地内のショッピングモールに台車を押す男(65)。
一見、浮浪者のように見える。が、男は掃除夫である。
台車にたくさんの掃除道具を乗せている。
ホウキで道を掃き、鉄ベラで道路のガムを取る。
トイレに水をまき、デッキブラシで床をこする。
男はゴミで捨ててあったボロボロのデッキブラシを拾い、修理する。
直せばまだ使える。
それはまるで自分のようだ。
男は掃除中、掃除道具の音を録っている。
ボロボロの掃除道具が働く音。
男は掃除道具室の片隅にある、ボロボロのパソコンを立ち上げ、その掃除道具の音を編集しだす。
それはだんだんとリズミカルになっていき、やがて音楽へとなっていく。
監督のコメント
汚い所を綺麗にする掃除道具は文句一つ言わず黙々と働く。
そこにはある種の美しさがある。
この物語の主人公も汚い所を黙々と掃除しています。
そして捨てられた物を直して再び使えるようにする。
その姿にも美しさを感じます。
新しい物が次から次へと生まれ、古いものは捨てられる現代。
忘れてはいけない大切なものがある。
一人の掃除夫を通して描けたらと思います。
監督の経歴
放送作家の中野俊成氏が率いる劇団ハラホロシャングリラでの役者経験をへて2005年より自身が監督を務める映像作品を撮りだす。
2007年には「盗賊ブギ」が山形国際ムービーフェスティバルで審査員特別賞を受賞。
2009年「金の魚の目」、2010年「ゴリラの嘘」は SKIPシティ国際Dシネマ映画祭にて上映され奨励賞を受賞。
2012年「疑う女」は ゆうばり国際ファンタスティック映画祭、ショートショートフィルムフェスティバル&アジアにて上映される。
2015年文化庁が企画する若手映画作家育成プロジェクトに参加。
「本のゆがみ」を監督。劇場公開される。
スタッフ一覧
出演者 |
助監督:迫田寿人 |