ある精肉店のはなし
TALE of a BUTCHER SHOP
纐纈あや
Aya Hanabusa
上映時間 :108min
制作年 : 2013
大阪にある北出精肉店は、全国でも稀な牛の肥育、屠畜、肉の販売までの一連を仕事としている家族経営の店だ。
屠畜を行うのは店から歩いて5分足らずの小規模な公営のと畜場。
700kgにも育った牛の手作業での屠畜は、常に危険と隣り合わせ。
彼らは命をかけて牛を屠る。確かな経験と技術により、牛は鮮やかに肉になっていく。
粛々と行なわれるその作業の光景からは、有機的に関係し合ういのちといのちの姿が見えてくる。
家族にとって何も特別なものではない、暮らしの一部であるこの仕事にはしかし、切り離せない差別の歴史がある。
いのちあるものをいただき、自らを生かす。
この誰しもに共通する生きものとしてのごく当たり前な営みも、その実体が見えなくなることで偏見や差別、先入観を作り出してきた。
店頭に陳列された肉を買う人も、その肉を屠る仕事を担う人も、同じく自分の家族や暮らしを愛おしみ、日常を過ごす人たちだ。
そして彼らは、厳しい差別に置かれてきたからこそ、他に優しく、真摯に生きようとしてきた人たちでもある。
監督 纐纈あやの経歴
1974年、東京生まれ。自由学園卒業。2001年ポレポレタイムス社に入社。
本橋成一監督の『アレクセイと泉』('02年)『ナミイと唄えば』('06年)の映画製作に携わる。
'10年に上関原子力発電所に反対し続ける島民の暮らしを映し撮った映画『祝の島』を初監督。
シチリア環境映像祭で最優秀賞受賞。
大阪貝塚市の北出精肉店の家族の暮らしを描いた二作目『ある精肉店のはなし』(2014年)は釜山国際映画祭、山形国際映画祭招待作品。全国でロードショーを展開中。
撮影 大久保千津奈の経歴
1973年生まれ。佐賀大学農学部卒業後、福岡の映像製作会社、KBC映像技術部に入社。カメラマンとして、情報バラエティー番組からニュースの取材企画編集、ドキュメンタリー番組、中継製作まで幅広く手掛ける。
2010年公開、山口県上関原発建設への反対運動を続ける島の人々の暮らしを描いたドキュメンタリー映画「祝の島(ほうりのしま)」の撮影を担当、活躍の場を映画にも広げる。
2011年「祝の島」の業績が認められ、映画に携わるカメラマンの団体「日本映画撮影監督協会」においてドキュメンタリーや記録、短編の分野での活躍を讃えるJSC賞を受賞。
2012年にフリーランスとなり東京に拠点を移す。
最新作は2013年11月29日に公開されたドキュメンタリー映画「ある精肉店のはなし」。
9月19日(金)18:30〜の上映後に
纐纈あや監督と撮影監督の大久保千津奈さんの
ゲストトークを行います。
スタッフ一覧
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「日時計の丘」について
福岡市の中心部から車で約40分。南区柏原の高台に立つ日時計の丘は、
絵画ギャラリーと音楽ホール、図書館の機能をあわせ持つ小さな施設です。 |
纐纈あや監督の作品一覧
作品名 | 監督名 | 上映時間 | 制作年 | 字幕 | 予告編 | 備考 |
祝の島 | 纐纈あや | 105min | 2009 | |||
ある精肉店のはなし(仮) 予告編 | 纐纈あや | - | 2013 | |||
ある精肉店のはなし | 纐纈あや | 108min | 2013 | ● |